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2016.10.19

暮らし Life

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vol.55:「Amazon」はない!ニュージーランドのネット通販事情~ママの強い味方「ゴリラ君」とは?~

ネット通販といえばやっぱりアマゾン「Amazon(アマゾン)」。
このサービスができる前はきっとなんとかやりくりできていた
のだと思いますが、今やママ生活になくてはならない
“生活必需サービス”となりました。


最近もAmazonに助けられたことが…。
週末(日曜日)に開催される子どものハロウィンパーティー。
衣装を調達しなければならないのに、出張続きで買いに行く
暇もない!どうしよう?!と焦っていましたが、
Amazonをみてほっと一安心。


なんといっても翌日には届くアイテムもあるのですから。


日本では2000年11月に「Amazon.co.jp」として書籍の販売から
開始したこのサービス。Amazonは今や世界14か国で
展開されているそうです(2016年現在)。


意外に展開国数は多くはないのですね。


さて、今回はAmazonのない国、ニュージーランドの
のネット通販事情を取り上げます。
キーワードは「ゴリラ君」!?



注目ポイントはこの3つ。


・豊富な在庫、迅速な発送システム
・複数ジャンルの商品を、ワンストップで購入できる
・すぐれたカスタマーサービス

「Amazon」はない!ニュージーランドのネット通販事情~ママの強い味方「ゴリラ君」とは?~


「おかあさ~ん、この新しいレゴ買ってー!」


息子たちが見せにくるのは、おもちゃ屋の「チラシ」ではなく「タブレット」。
デジタル世代の子どもたちは、欲しいものをインターネットで探してくる。


発売開始前の商品でも、ネット上に画像が載っていれば、
簡単に欲しくなってしまう。


我が家から、一番近い町までは12キロ。
おもちゃが買える店といえば、大型ディスカウントショップが
1店舗だけ。最新商品の入荷も遅く、先行予約もできない。


ニュージーランドには「トイザらス」も「Amazon」も
参入していないのだ。


しかし、ニュージーランドのママたちは、まったく困っていない。
子どもたちの無理難題を解決してくれる、
強い味方「ゴリラ君」がいるからだ。


今回はニュージーランドで数多くの「オンラインショップ大賞」を受賞している、
ゴリラ君「Mighty Ape」(ネット通販サービス)を、ご紹介しよう。

■商品・サービス概要
「Mighty Ape」は、ニュージーランドのインターネット通販会社である。
創始者のSimon Barton氏がオークランドに1995年にビデオゲーム販売店
「GameZone」を設立したのが始まりだ。


1998年からはネット販売を開始。
2008年に現在の「Mighty Ape」となり、
同年に書籍やおもちゃの販売も開始。


2011年以降は、他ジャンルの商品(※1)も豊富に取り扱うようになる。


社員数68名。5,500㎡の巨大倉庫では、
毎日約80人が3,000~4,000件の発送業務に従事している。
なお、同社は株式非公開会社で、事業報告書を公開していないが、
2014年のインタビュー(※2)で、Barton氏は、売上高は
およそ50万~100万NZドル(37億5,000万~75億円/NZドル=75円換算)と
答えている。


リサーチ会社Nielson社から発表されたレポート(※3)によると、
ニュージーランドの総人口の11%の当たる37万人以上が
「Mighty Ape」のサイトを閲覧とある。
いかにニュージーランド内での影響力が大きいかわかるだろう。


社名の「Mighty(強力な)Ape(類人猿)」と、会社ロゴの「ゴリラ」は、
任天堂ゲーム「マリオ vs ドンキーコング」から採ったそうだ。
社名とロゴを変更してから、女性顧客が20%から51%にも上昇した。
ここでも日本のソフトパワーが威力を発揮している。


Barton氏は、Amazonの動向を常にウォッチ。
発送特典が受けられる「Prime Ape会員」や
個人で出品できる「マーケットプレイス」はもちろん、
ニュージーランド総人口の46.9%を占める
3都市(オークランド、ウエリントン、クライストチャーチ)で、
当日発送といったサービスのほか、
オークランドでは「Pick Up」(※4)も可能だ。


「予約注文」では、発売日までに値段が変動しても、
予約期間中の最安値で購入できる。


購入価格に応じて貰える「ポイント」など、
Amazonと似たサービスを充実させている。
※1:同社公式ホームページより https://www.mightyape.co.nz/

「各部門の商品の販売開始時期と取扱数」取扱数は「値段カテゴリー」より算出(2016年9月2日現在)

2008年 書籍、おもちゃ販売開始(書籍100万冊以上、おもちゃ16,324点)
2011年 ホーム用品販売開始(ホーム用品8,166点) 
2012年 ホビー、衣料品販売開始(ホビー用品12,320点、衣料品3,692点)
2013年 ベビー、オフィス、ヘルス用品販売開始(ベビー用品3,564点、オフィス用品8,187点、ヘルス用品2,711点)

「その他の取扱商品」
・コンピュータ、電化製品 8,395点
・DVD、Blue-ray 17,806点
・ミュージック、楽器 7,000点
・ゲーム 3,936点
・食品、飲料 746点

※2:Mighty Ape trongarms online business (2014年10月26日のインタビュー)
http://www.stuff.co.nz/business/small-business/10659078/Mighty-Ape-strongarms-online-business


※3:New Zealanders shopping online anytime, any place(2014年7月24日)
http://www.nielsen.com/nz/en/insights/news/2014/new-zealanders-shopping-online-anytime-anyplace.html

※4:「Pick Up」―注文した商品を、顧客が流通センターに取りに行ける。
センター内に設置されているPCからも注文可能。在庫があれば、その場で商品を引き取ることができる。


■なぜ、支持されているのか?
なんといってもスピードが速い。


1999年に「Trade Me」という巨大オークションサイトが
オンラインサービスを開始。Barton氏は「価格競争では勝ち目がない」と、
「迅速な発送」に重点を置くようになった。


できるだけ多くの在庫を自社で抱え(その数なんと46万点以上)、
倉庫を社屋に隣接させたのも、そのためだ。


それ以外にSNS(ソーシャルネットワーキングサービス、交流サイト)も
フル活用している。BNZ銀行が行ったインタビュー(※1)で、
同社の「商品、ウェブ担当」のDylan Bland氏は、
メディアの活用は「顧客の興味を会社に惹きつけておくのが目的。
顧客には購買プレッシャーをかけないようにしている」と述べている。


実際、同社のFacebookページ(※2)には 
最新ゲームやプレゼントキャンペーンなどの情報が満載だ。
筆者も息子と、同サイトから「ぬりえ」をダウンロードして、
楽しんだことがある。


最後に忘れてはならないのはきめ細かな顧客サービスと品ぞろえだ。


「GameZone」時代から、数多くのオンラインショップ賞(※3)を
受賞している同社だが、顧客に対しては、あくまでも「直接対応」を貫く。


以前、筆者が注文した商品が「在庫切れ」だったときのこと。
翌朝の7時頃にMighty Apeの社員から、ひな型ではない
丁寧な「お詫びメール」が送られてきたのには、感心した。


同社の取扱商品は多岐に渡るが、主力商品は、
会社設立当初から販売している「ビデオゲーム」や「おもちゃ」である。
「おもちゃ」の取扱数は16,000点以上、うち80%以上も
在庫で保管しているのも、強みだ。


ママと子どもたちにとってこんなありがたい仕組みはない。


「Amazon」が参入していないニュージーランドでは、
総合オンラインショップ「Mighty Ape」はニッチながらも、
盤石な基盤を築いているようにみえる。
しかし、いつ“敵”が乗り込んでくるかはわからない。


『いつか「Amazon」が参入してくるのは脅威だが、
この国の「15%」という高い消費税は、彼らにとって
大きな挑戦になるだろう。』とBarton氏は分析している。(※4)

※1:BNZ Online Retail Sales Report
https://www.bnz.co.nz/assets/business-banking-help-support/online-retail-sales-index/pdfs/or2015-03.pdf

※2:Mighty Ape Facebook  
https://www.facebook.com/MightyApe

※3:受賞(カッコ内は主催者) 
https://en.wikipedia.org/wiki/Mighty_Ape

2004年 ベストオンラインストア賞(NetGuide NZ)
2007,2008,2009年 ベストオンラインショップサイト賞(NetGuide NZ)
2010,2011,2012年 ベストゲームショップ賞(NetGuide NZ)
2011,2012年 ベストショッピングサイト賞(NetGuide NZ)
2012年 ベストソーシャルネットワークページ賞(NetGuide NZ)
2014年 ベストビジネス賞(Westpac銀行)
2014,2015年 顧客サービス配送賞(Westpac銀行)
2016年 家電機器、テクノロジー部門ベストショップ賞(Consumer New Zealand)

※4:Mighty Ape trongarms online business (2014年10月26日のインタビュー)
http://www.stuff.co.nz/business/small-business/10659078/Mighty-Ape-strongarms-online-business


■ニュージーランド人ママの心をくすぐる三つのポイントとは?
1.豊富な在庫、迅速な発送システム
誕生日やクリスマスなど、季節ごとのイベントや期日が
決まっている贈り物をしたいときには、特に重宝する。


2.複数ジャンルの商品を、ワンストップで購入できる
Amazonの参入していないニュージーランドでは、
総合オンラインショップは、あまりない。
書籍もおもちゃも、食料品も一気に手に入るのは
他には代えがたい。


3.すぐれたカスタマーサービス
顔が見えないオンラインショッピングだからこそ、
顧客に誠実なショップを選びたいもの。
ネットサービスであろうとも対応をオンライン任せにしない、
その顧客対応姿勢が消費者に支持されている。

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