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  • ドイツ

海外トレンド

2020.05.08

暮らし Life

海外トレンド


vol.164:コロナショックで際立ったドイツの大人な緊急時対策

コロナショックで際立ったドイツの大人な緊急時対策


◯生活者目線の経済支援が市民間の助けあいを後押し

世界中で猛威をふるう新型コロナウィルス。
ドイツでの感染者数は16万人を超えたが、
ドイツのメルケル首相は5月6日にロックダウンの解除を発表した。


近隣のヨーロッパ諸国で甚大な被害が出るなか、
ドイツは突出して低い致死率を
維持することに成功している。
要因として挙げられているのは、
初動の速さや大規模検査の実施だ。


政府の徹底した生活者目線で敷かれる諸対策が、
市民が無理なく自宅隔離を続けられる環境を整備。
感染爆発を抑え込む決め手と
なっていることは間違いない。


ドイツで行われている新型コロナ対策の
最新情報をお伝えしていく。

◯ドイツに住む日本人にもスピーディな現金補償

ドイツ政府は3月22日(日)、
ロックダウン発令と同時に
総額7500億ユーロ(約90兆円)の
対コロナ財政パッケージを承認した。


ついで大規模な経済補償が
具体的な方策とともに発表され、
その補償対象は被雇用者からフリーランス、
個人経営者、小中企業と取りこぼしがない。


被雇用者は、自宅休業中にあっても
60%以上(子どもがある家庭は67%)の給与を
国から補償される。


フリーランス、自営業者については、
5人以下の従業員を持つ事業者には
上限9000ユーロ(約106万円)、
10人以下の従業員を持つ事業者には
上限15000ユーロ(約177万円)の助成金が発表された。


3月27日(金)に開始したこの助成金の
オンライン申し込みには申込希望者が殺到したが、
支給自体はスピーディに行われた。


一例では、28日(土)に申請を完了させた
フリーランスの在独日本人が、
30日(月)にベルリン州から5000ユーロ(約60万円)が
入金されたことを確認した。


画期的な点は、申し込み段階では精査を行わず、
もれなく救済することに重きが置かれたこと。
ドイツ国籍保有者に限らず在独外国人へも
平等に助成が行われた。
手厚く素早い支援には感謝の声が上がった。


そのほかの経済的な支援として、
家賃の滞納による解約を家主に禁じる救済措置や、
納税期限の延期なども盛り込まれた。


こうした補償は、少ない資本でやりくりする
個人経営者やアーティストたちをただ救っただけではない。
文化相が特に「アーティストは必要不可欠であるだけでなく、
生命維持に必要」と明言したことからもわかるように、
ドイツ政府がアートや文化に敬意を払う姿勢が
市民に伝わる結果となった。


◯『スーパーで働く人々に感謝』首相からのメッセージ

メルケル首相はこれまでに適宜、
記者会見やテレビ演説などを通して
新型コロナウィルスへの対応について
市民への呼びかけを行っている。


首相は、一般人と同じように職務後に
スーパーマーケットで買い物をし、
首相になる前から住んでいるベルリンのアパートで
質実な暮らしを続けていることが知られている。
そして、そんな彼女ならではといえる
生活者の視点が会見や演説ににじむ。


3月18日(水)に行われた13分のテレビ演説では、
社会機能を維持するために働く人々に向けて
謝辞が述べられた。


医療関係者へ敬意と感謝を表明した首相は
それに続けて、普段はあまり話題にならない
『スーパーマーケットで働いている、レジを打つ人や、
商品棚を補充してくれる人』たちの貢献を大きく取り上げた。


生活必需品の流通のために働く彼らに向けて
首相が公で謝意を表したことの意味は大きい。


ドイツでも諸外国と同様、ロックダウン当初は
「ハムスター買い」と呼ばれる買い溜め行動が起こり、
パスタや缶詰類といった保存のきく食材を中心に
空になる棚が目立っていた。


しかし現在はほとんどの商品の品薄が解消されつつある。
それらはこうした状況下で、
感染リスクに身を晒しながら勤務を続ける従業員のお陰だ。


ロックダウンにイライラを募らせた客から
不当な扱いを受けかねない縁の下の力持ちとなっている人々。
メルケル首相の言葉は、そうした人々への正当な感謝を
市民に思い起こさせた。



◯芽生える市民の連帯『ご近所さんチャレンジ』

ドイツでは、4月に入り陽気が増したことで外出する人の姿が増え、
特に子ども連れの親たちが公道や広場などで
子どもを遊ばせている光景がよく目に入るようになった。
家遊びに飽きた子どもたちを屋外へ連れ出しているのだろう。


また、4月20日から書店や小規模店舗などの
営業再開が認められ、5月4日からは学校も再開した。


ドイツ政府が示していたロックダウンのガイドラインは、


・生活必需品販売店以外の店舗の閉鎖や在宅勤務の推奨
・公共の場で家族以外の3人以上が集まることの禁止
・最低1.5mを基準に人との距離を取る


などを促す内容となっていた。


そのため、健康のため屋外で身体を動かすことや
個人スポーツは認められているので、
人々はルールに沿いつつ、
いかに身体と精神を健康に保つかに努めている。


未曾有の危機を乗り越えようと、
助け合おうとする市民の連帯をも生まれた。
お年寄りや持病を抱える人、
より高い感染リスクを持つ人々を助けるべく、
買い物代行などのサポートを
個人的に行う人々が急増したのだ。


スーパーや薬局では、託されたリストを
片手に買い物をする人々が散見されており、
州や自治体、警察が「助け合いの用紙」フォームを
インターネット上で公開。
用紙を印刷し集合ポストに貼り出すことで、
買い物代行や犬の散歩といったサポートが
相互で行われている。


ドイツでは現在こうした市民の連帯が
「#Nachbarschaftschallenge(ご近所さんチャレンジ)」
として広がりを見せている。

◯まとめ

未だにはっきりとした収束の目処が見えない
新型コロナウィルスによる被害には、
誰しもが大きな不安を覚える。
どんな風に行動し、どの情報を信じればいいのか、
手探りの状態が続けば不安は募るばかりだ。


こうした状況にいち早く生活者の目線で方針が敷かれ、
自らの言葉で語りかけるリーダーが存在することは、
困難を乗り切るために何より意味がある。


迅速な補償と明確な方針のもとでは、
他者を助けようと自ら行動を始める市民が現れる。
困難な状況にあることは変わらずとも、
リーダーの手腕によって市民の受ける負担は
フィジカル、メンタルともに大きく変化すると言えるだろう。

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